世界のむこう側へ

ほぼ失敗ばかりだけど、いろいろ実験しながら次世代のインターフェイスを探す旅をしています。

革新的にみえても、実はルール自体は何も変わらない。という事実

IT業界にいると、結構な頻度で「イノベーション」という言葉を耳にします

イノベーション」とは、革新的な。既存の常識を根底から覆すことようなイメージで使われていることが多いです

 

イノベーションというと、シュンペーターを思い出すのですが

彼の中心には常にイノベーションがあり、イノベーションがなくなると市場が均衡状態に陥ってしってゼロ成長やでーという話をしています

 

イノベーションの類型として

 

・新しい貨幣の生産

・新しい生産方法の導入

・新しい販売先の開拓

・原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得

・新しい組織の実現

 

しかし、この時代にイノベーションなんて起きるのかな?と私は思っておる次第なのです

上記の類型を見てもそうなのですが、なんだかブルーオーシャン戦略にも似ているような気もしていまして、そんなユートピアはもう存在していなのではなのかなーとぼんやり思っております

むしろ、今後はディストピアまっしぐら!な状態なはずですよね

この辺りは、また別の機会にとっておいて

 

本日は、「イノベーション」という定義についてのお話を

 

イノベーションはIT業界と仲良しですが、もうひとつ仲良しな業界があります

 

「スポーツ業界」です

 

スポーツは常にイノベーションがないと均衡してしまう

まさにシュンペーターですね

経済とスポーツは似ているところもありますし

 

スポーツでのイノベーション例として、いつも挙げられるのが、初めて走り高跳びで背面飛びをした人です

 

フォスベリーという選手です

 

この人は、当時主流だった「ベリーロール」という躍進方法を、新たな躍進法で革命を起こし、オリンピックで優勝するなどした人物です

それ以降、ほぼすべての選手が背面跳びを採用したイノベーションの代表例として扱われています

イノベーション系の本とか読んでいると「常識の外」で発想されたアプローチでよく出てくるほどです

 

しかし、現実はちょっと違うみたいで

 

フォスベリーは、ベリーロールが苦手だったため、それまで得意だったはさみ跳びを、より記録が伸びるような跳び方へ改良していったのだ。はさみ跳びをするとき、お尻を高く持ち上げるようにしていった結果、背面跳びは生まれた。

 

だそうです

苦手だったものをちょっとずつ改良していった結果が背面飛びになったのですね

 

つまり、イノベーションは既存のルールの中にあった。ということです

 

イノベーションというと、なんだか突拍子もないものや、上記に記した、ブルーオーシャンのような誰も手を付けていない、なにか特別な領域に到達してはじめて起こるようなものに見えますが、実際はルールの中で問題や状況を細かく分析し、その内なるものから生まれ出される制約条件下で発生するものの気がします

 

イノベーションとは、内なる偶発性

 

一夜のうちに、ルールが一気に変わるような時代は終わり、地道に探し続けることで、結果イノベーションが起こるものなのではないか

 

なので、起業したからイノベーションを起こせるわけではないですし、皆さんが一様に起業家を増やす。とおっしゃっていますが、増やしてどうすんねん。って思う次第です

シュンペーター的に、経済成長にイノベーションが必要で、イノベーションを起こすのが起業家の定義なので、そういうことなのでしょうが

 

助成金とか新しいことやるよりも、もっと「内なるルール」自体を見直すほうがいいのではないかと

本当に経済を成長させたいって考えているのであればですが

 

結論として、イノベーションは簡単に起こらないし、ちょー地味な作業を繰り返さないといけないですね。ってことですかね

 

一夜にしてロックスターのような起業家に憧れて、昔起業してみて、現在思うことをつらつら書いてみました